指揮棒が刺さって死んだ指揮者がいる
指揮棒は、オーケストラで全体の演奏の動きを指示するための棒のことです。なんと、この指揮棒が刺さってしまい、死んでしまった指揮者がいるのです。
指揮棒で死ねる理由
その指揮者とは、17世紀を代表するフランスの作曲家であるジャン=バティスト・リュリです。当時の指揮棒は現在のように片手で持って振る短い棒ではなく、身の丈もあるほど大きく重い杖を使っていました。その大きい指揮棒を振るのではなく、先端を床に叩きつけることでリズムをとっていたのです。
そして、ルイ14世が手術を受け、回復したことを神に感謝する曲「テ・デウム(賛歌)」を必死になって指揮していた際、誤って自身の足先に杖を突き刺してしまったのです。その傷口から細菌が入り化膿してしまい、わずか2ヶ月半後にリュリは命を落としてしまいました。
リュリは男色家としても知られており、ルイ14世のことを愛していました。そのため、手術から復活したルイ14世のために、いつもより指揮に熱が入ってしまった結果、このような惨事が起こってしまったのです。