有名な戦国武将の一人である伊達政宗は、「独眼竜」の異名を持ち、片目に眼帯を付けている姿が印象的です。しかし伊達政宗が眼帯を付けていたという事実はどこにも残されていません。

伊達政宗と眼帯

幼少期に天然痘(てんねんとう)という感染症を患い、片目が失明してしまったのは事実です。しかしどの文献にも、本人の肖像画にも、眼帯を付けて描かれてはいないのです。

伊達政宗に眼帯のイメージを定着させたのは、1987年に放映された大河ドラマ『独眼竜政宗』であるといえるでしょう。このドラマは歴代最高となる平均視聴率39.7%を叩き出し、世間に伊達政宗という人物を強く印象付けました。

この大河ドラマに登場した伊達政宗は眼帯を付けた姿で描かれましたが、最初に伊達政宗に眼帯を付けて描いたのは、1942年に公開された映画『獨眼龍政宗』であるとされます。

つまり伊達政宗が眼帯を付けていたというのは後世の創作であり、現在では伊達政宗といえば眼帯というイメージが作り上げられたのです。