三蔵法師は何人もいた?
三蔵法師と言えば、孫悟空らをお供に天竺を目指した西遊記が有名です。この三蔵法師のモデルとなっているのは中国の唐の時代に実在した「玄奘(げんじょう)」という僧侶です。しかし三蔵法師は玄奘一人ではないというのです。
三蔵法師とは
三蔵法師とは仏教の「経蔵」、「律蔵」、「論蔵」の三蔵に精通した僧侶に与えられる尊称であり、玄奘一人の固有名詞ではありません。三蔵とは次の事です。
- 経蔵 – 規則、道徳などをまとめたもの
- 律蔵 – 釈迦の説いた教えをまとめたもの
- 論蔵 – 経蔵と律蔵の注釈、解釈
三蔵法師の多くは中国出身の僧ですが、一人だけ日本人がいます。現在の滋賀県出身の僧である「霊仙(りょうせん)」です。霊仙は最澄(さいちょう)や空海と同じく遣唐使の一行として唐に渡りました。その後、長安で仏教に従事し、その功績を認められて「三蔵」の称号を得たのです。