日本に初めてキリスト教を伝えたことで有名なフランシスコ・ザビエル。歴史上の偉人の中で、特に知名度が高いのには肖像画の効果が高いでしょう。頭頂部がハゲているように見える独特な肖像画は忘れることができません。しかしザビエルの髪はハゲているのではなく、わざと剃っているのです。

髪型の意味

この特徴的な髪型は「トンスラ」と呼ばれ、カトリック教会の修道士の髪型として知られています。本来は鉢巻をしたような形に頭髪を残し、それ以外の頭頂部および側頭部から後頭部にかけてを剃る髪型ですが、ザビエルの肖像画では側頭部の頭髪は残っています。

元々は張り付けにされたイエス・キリストが、十字架上で頭にかぶせられていたとされる、イバラの冠を模しているともいわれています。

徐々に廃れていったトンスラですが、1972年に公式に廃止されてしまったのです。