凍死とは、体温が35℃を下回る低体温症の状態で死亡した状態を指します。意外にも毎年平均1000人程の人が凍死しています。凍死は寒さの極みのような気がしますが、実は暑さを感じるのではないかという症例があるのです。

寒い場所で暑さを感じる理由

雪山での遭難、雪下ろし作業中に雪に埋もれてしまう等々、凍死には様々なケースがあります。しかし不思議なことに、凍死した状態で発見された人で、衣類を全く身につけていないという状態で発見されるケースがあるのです。

この現象は「矛盾脱衣」と呼ばれ、日本国内だけでも過去に37件の報告が挙がっています。

人間は恒温動物であり、身体は体温が低下すると、体温を上げようと熱を発します。あまりに寒い環境下におかれると、内部の熱と外部の気温との差のせいで、暑いところにいるように錯覚してしまうと考えられています。

一方、幻覚作用であるという考えや、体温調節中枢の麻痺による異常代謝によるものであるという考えもありますが、そのメカニズムや経緯は未だに解明されていません。なぜならば、矛盾脱衣で発見された人たちは皆、死亡しているため、証言が取れないのです。