ミイラとは、自然的または人工的に乾燥された死体であり、死後も長きに渡って原型を留めていることから永久死体とも呼ばれます。果たして現代の日本でもミイラを作ることは可能なのでしょうか。

今回の雑学では、誰でも出来るミイラの作り方をご紹介します。

世界のミイラ

世界各国で様々なミイラが発見されていますが、最も有名であろうミイラは、古代エジプトにて建設されたピラミッドに眠っていた、王族達のミイラでしょう。古代エジプトのミイラは、死体から内蔵を取り出し、2ヶ月もの間、天然炭酸ナトリウムに浸しておきます。その後液体から取り出し、布でグルグル巻きにして乾燥させて作られるのです。

ミイラといえば包帯でグルグル巻きになっているイメージがありますが、このイメージはエジプトのミイラがモチーフとなっているのです。

日本のミイラといえば「即身仏(そくしんぶつ」です。これは修行僧が穴の中などで瞑想したまま命を絶ち、そのままの姿でミイラ化した死体のことです。ただ飲まず食わずでは即身仏にはなれません。適度に木の実などを食べて命を繋ぎ、徐々に脂肪や筋肉を縮小させていきます。最後にはやせ細った状態で絶命するのです。仏教でも最も過酷で最後の修行となるのが、即身仏なのです。

現代でもミイラを作ることが出来るのか

結論からいえば、可能です。しかも合法的に。

まず死体は火葬または土葬しなければならないイメージがありますが、必ずしもそうする必要はありません。死体を自己判断で放置してしまうと、死体遺棄罪に問われてしまいます。また、勝手に弄んでしまうと死体損壊罪に問われます。これらの法律に触れずに、合法的にミイラを作るにはどうすればよいのでしょうか。

まずは火葬や土葬をしなくてもいいように、「墓地・埋葬等に関する法律」に従って、死体を保管する場所を決めます。そして各都道府県知事に保管の許可を貰う必要があります。

次にミイラ化するために内蔵の除去が必要です。死体の解剖には保健所長の許可が必要ですが、許可さえいただければ解剖医などが解剖する必要もありません。遺族や第三者が解剖する権利が与えられます。

あとは古代の知恵を借りてミイラを作り上げるか、あるいは現代では昔のように難しい方法でミイラを作る必要がありません。フリーズドライ製法であっという間に長期保存可能な死体が出来上がります。


このように、現代でもミイラを作ることは法的に可能ではあります。各種の許可が必要ではありますが、問題はその許可が降りることがあるのかどうか。といったところでしょう。