秋本治の大ヒット漫画『こちら葛飾区亀有公園前派出所』のおかげで全国的に認知されている下町・亀有。この地名は元々は今とは真逆で「亀無」と呼ばれていたのです。

亀有は亀無だった

亀有は1398年には『下総国葛西御厨注文』で「亀無」と、そして1559年には『小田原衆所領役帳』で「亀梨」と表記されているのが確認されています。この地名は低湿地帯だったこの近辺が亀の甲羅のように盛り上がった地域だったことから、「亀」の甲羅の形を「成す」土地という意味で「かめなし」と名付けられました。

しかし「無」では縁起が悪いとされ、江戸時代初期である1644年頃に『正保国絵図』を作成する為の書類にて、現在の「亀有」に訂正されたのです。

ちなみに前述した漫画の舞台となる「亀有公園前派出所」は、実際には存在しません。