病は気から。風邪をひいたみたいだなと思い続けると、本当に風邪の諸症状が出てしまうというような事を指す言葉です。実際に人間はこのような思い込みが原因で様々な体の不調を引き起こすことがあります。こういったマイナス要因だけでなく、思い込みはプラスの方向にも働くのです。それが「プラシーボ効果」です。

プラシーボ効果とは

例えば風邪をひいた場合、多くの人は風邪薬を飲みますが、その薬にどういった成分が含まれているのか、その成分は風邪の症状にどう働きかけるのかを知る人はほとんどいません。ただ「風邪薬を飲んだ」という安心感が体の不調を治してくれる要因の一つになっているのです。

本当の風邪薬の場合は、その効能によって症状を抑えてくれることは確かでしょう。では「これは風邪薬です」と言われて、ただのビタミン剤を飲んだ場合はどうなるのでしょうか。面白いことに、人間はそれを本当に風邪薬だと信じてしまい、偽物の薬であろうが風邪の諸症状を抑えてくれるのです。この現象のことを「プラシーボ効果(プラセボ効果)」と呼びます。

薬以外の例でいうと、アルコールの含まれた本物のビールと、ノンアルコールビールを被験者に飲ませた場合、どちらもアルコールを摂取した時と同じ効果、すなわち「酔っぱらい」状態になったという実験結果もあります。

また、この逆の効果を発揮する場合もあります。例えばとある薬を何の説明もなしに飲んだとして、「副作用があったらどうしよう」と思い込むことにより、本来は発生しない副作用が発生してしまうといったマイナスの効果が生まれてしまうのです。この効果は「ノーシーボ効果(ノセボ効果)」と呼ばれます。