奈良公園には1000頭ほどの野生のシカがおり、シカせんべいを手渡してあげたりと人に慣れていることから、修学旅行を始めとした旅の記念に、大変多くの人が訪れる人気の観光スポットになっています。しかし、そもそもなぜ奈良公園にはあんなに沢山のシカが生息しているのでしょうか。

奈良のシカの歴史

全国に多数存在する「春日神社」の総本社が、奈良にある「春日大社」であり、奈良公園にいるシカは、この春日大社の神使であるとされます。

767年に春日大社が創建され、主神の建御雷命(たけみかづちのみこと)が鹿島神宮から帰る際に白鹿に乗ってきたとされ、シカは神鹿(しんろく)と呼ばれ、尊ばれるようになりました。

人々はシカを傷付けてはなりませんでしたが、そうは言っても相手は野生のシカ、人や農作物に危害を加える事案が後を絶ちませんでした。

第二次世界大戦が終結した頃には、食糧難による密猟が相次ぎ、奈良のシカは79頭まで激減したとされます。

様々な困難を乗り越え、現在では国の天然記念物に指定され、人々との共存を成しているわけです。