拘束され手も足も出ない状況や、刑務所の中などで、を噛み切って自殺を図るシーンなどがドラマや映画で稀に見られます。猿ぐつわでもされていない限り、道具を一切使わないでできるのがこの自殺方法と考えられがちですが、実際のところは舌を噛み切ったところで死ぬのは容易ではないようです。

舌を噛み切った際の死因

舌を噛み切ったことによる死因は次の二つが挙げられます。まずは単純に失血による致死です。しかし舌の血管から溢れ出る血の量はさほど多くはなく、失血で死に至るケースはほとんどないようです。次によく言われるのが、舌を噛み切ったショックで、舌の根っこ部分が喉の方へと引っ込むことによる窒息死です。これも、口の周りには多様な筋肉があるので、舌の根元だけが喉の方へ萎縮するということはほとんどないと、専門家は判断しています。

しかし実際には警察の取り調べ中などに舌を噛み切ることで自殺を成功させた事例が何点か報告されています。もし死ねる可能性の低いこの方法で自殺を図り生き残ってしまった場合、食事や発音など、日常生活にかなりの支障が出るとのことです。