消しゴムと一口に言っても、砂消しや練り消しなど様々ありますが、ここでいう消しゴムはごく一般的な消しゴム、とはいえほとんどの消しゴムの主成分はプラスチックであり、プラスチック字消しというのが正式名称です。

ゴム爆弾

そして「冷やす」という点に関しては、単純に冷蔵庫や冷凍庫に入れて冷やすのではなく、化学の実験でよく使われる液体窒素に浸けて瞬間的に超低温まで冷やす必要があります。液体窒素は、マイナス195.8℃以上で気体に変わってしまう窒素の液体です。つまり沸点であるマイナス198.5℃に冷やされた状態にあります。

例えば液体窒素に花を浸けると瞬時にパラパラになってしまい、バナナを浸けると釘を打てるほど硬くなります。ここにゴムでできている消しゴムを浸けるとどうなるでしょうか。

ゴム成分の熱伝導率は低いため、消しゴムの外側は冷え切っても、内側はまだ暖かさを残します。そしてもう一つはゴムの弾力性です。ゴムを握ると強い力で外側に戻ろうとする力が生まれます。外側のゴムは冷え切っているために縮もうとし、内側はその力に反発します。すると、反発に耐えられなくなった外側のゴムが破裂して、まるで爆発が起きたかのように見えるのです。