砂漠といえば、あたり一面が砂に覆われ乾燥しきった大地という印象があります。確かにその通りで、年間降雨量が250mm以下の地域という定義などがあります。そんな砂漠で多そうな死因となれば、脱水症状や熱中症などが思いつきますが、一説によると、最も多い死因は「溺死」であるというのです。

砂漠で溺死する理由

鉢に植えた植物に水を与えると、その下の土は勢いよく水を吸い取っていきます。前述した通り、砂漠はそのほとんどが砂で覆われています。しかし極端に雨の降らない地域であるがゆえ、土や砂は乾燥しきっている状態です。そのため、砂漠に敷き詰められている砂はギュッと締まっており、排水するための構造になっていません。

このような土地にスコールのような一時的に大量の雨が降るとどうなるでしょうか。雨水は地表に吸い込まれることなく、地面の上を滑るように流れていきます。これが鉄砲水となり、まるで津波のように人々を襲うのです。

2009年にはサウジアラビアの砂漠地帯で大規模な洪水が起こり、106人の死者を出したという記録も残っています。