バスケットボールは一人の男の試行錯誤の末に生まれた
スポーツとはどれも自然的に生み出されるものが多く、発祥も様々な国の説がある場合が多いです。例えばゴルフの場合、モグラの穴を利用した球遊びから発展を遂げたと言われていますが、その発祥地はスコットランド、オランダ、中国など様々な説があります。しかしバスケットボールは発祥の時点から独特なスポーツと言えるのです。
バスケットボールの歴史
バスケットボールはカナダ出身のアメリカ人「ジェームズ・ネイスミス」によって考案されました。たった一人の人物によって作られることは、スポーツの発祥としては非常に稀なケースなのです。
ジェームズは大学を卒業後に神学校へ進み、そこで体育講師を務めていました。また、同時にスプリングフィールド大学へ学生、兼非常勤体育講師として通っていました。この大学の授業の課題として「屋内競技の考案」を与えられました。その結果生み出されたスポーツが、現在のバスケットボールの原形となるものでした。
手作り感満載な用具
当時はボールも作られていなかったため、ゲームにはサッカーボールが使われていました。そしてゴールに使われていたのは桃を収穫する際に使われていた籠(かご)で、ゴールが決まるたびに籠からボールを取り出す必要がありました。籠を使うことから、そのままの意味で「バスケット(籠)ボール(球)」と名付けられたのです。
またゴール裏の四角いバックボードも設置されてはおらず、体育館の二階の手すりなどに直接くくりつけられていました。バスケットボールが浸透するに連れ、観客が体育館上の手すりから足や手を伸ばして妨害することが多発するようになったため、それをガードする目的でバックボードが付けられるようになったのです。
このように、試行錯誤が重ねられて現在のルール、形へと発展を遂げましたが、元々はレクリエーションから発展してスポーツになったのではなく、始めからスポーツを作り出す目的で作られたスポーツというのは非常に稀なのです。