「手遅れなこと」を意味する慣用句として、「後の祭り」という言葉があります。この場合の祭りとは、一体何の祭りのことを言っているのでしょうか。

後の祭りの語源

この言葉の語源として最も有力な説が、京都祇園祭だとする説です。祇園祭は7月1日から1ヶ月間もの長期間に渡って開催されるお祭りです。

祇園祭で最も見所のポイントは、華やかな山車が練り歩く「山鉾(やまほこ)巡行」です。山鉾巡行は二日間に分けられており、7月17日を前祭、7月24日を後祭とします。この「前祭」「後祭」は「さきのまつり」「あとのまつり」と読みます。

この山鉾巡行は二日間とも同じ内容ではなく、後半戦は前半戦に比べると地味な内容になっています。そのため、前祭を目当てに京都へ出発した見学人が、前祭に間に合わずに「何だ、後祭か……」とガッカリした発言をしたことから、「後の祭り」=「時期に間に合わずに手遅れなこと」を指す言葉となったのです。