名字や地名で「和泉」と表記することがあります。この読みは「いずみ」と読みますが、「和」の部分を発音しないのはなぜでしょうか。

黙字

このように、表記はするが発音をしない文字のことを「黙字」といいます。黙字は日本語だけに存在することではありません。他国の言語において、特に英語やフランス語で黙字が多く存在します。

なぜ黙字になったのかというのは様々な理由があります。例えば日本語では、地名でみかける「和泉」は「和」の部分を発音せずに「いずみ」と読みます。これは、元々は「泉」と書いていましたが、713年に「地名は漢字2文字で書くようにしよう」という「好字二字令」が発令され、「和」という字を付けたものの読み方はそのままということになりました。

昔の人名でみかける「五右衛門」は「ごえもん」と読みますが、「右」の文字は黙字になっています。これは本来はひらがなでは「ごうゑもん」と書くことから「ごううぇもん」と発音されていましたが、母音が続くと読みづらいということから「ごえもん」に省略されたのです。

読みづらいから省略するというのは外国語の黙字でもみられることです。なぜこの文字はそのような読み方、発音をするのかというルーツを探るのも面白いかも知れません。