江戸時代に実在した恥ずかしい「入墨刑」とは
江戸時代頃には、罪を犯したものに科す刑として、残酷な刑や変わった刑が多く存在しました。その中でも「笑い者にされる」とも捉えられる「入墨刑」というものがありました。
入墨刑とは
現代では入墨は宗教や団体に所属することの表現や、ファッションなどの美的観念から体に刻むことが多く、痛みと引き換えに消すことのできない模様が刻まれます。消すことができないというところに着目され、江戸時代中期頃になると「入墨刑」が全国的に行われるようになりました。
この刑はその名の通り体に入れ墨を彫られるというもので、地域によって刻まれるデザインには大きく差があり、腕に二本線や菱形などの記号を入れるというものが一般的です。
しかし一部の地域では、服では隠せない部位、しかもとても恥ずかしい部位、つまり額(おでこ)に入れ墨を彫る地域もありました。さらに当時の広島ではこれだけにとどまりませんでした。
1回目の罪では漢数字の「一」と入れられ、2回目で斜め線が加わりカタカナの「ナ」の形に、そして3回目で反対側に斜め線と点が加えられて「犬」という漢字にされてしまうというとても恥ずかしい刑だったのです。