高野山に入山が禁止されていた生き物
和歌山県の北部に位置する「高野山(こうやさん)」は、日本仏教の一つである真言宗の開祖「空海」によって、修禅の修行場として開かれた仏教の聖地と呼ばれる場所の一つです。標高1000m級の山々がそびえ立ち、その神聖な空気は人間を清めてくれるような気がしてきます。
立入禁止の者たち
その昔、高野山は女性の立ち入りが禁止されていました。816年にこの地が開かれてから1906年までの長い間、女人禁制は続いたのです。これは山の神は女性であることから、などの理由からであり、女性を蔑視し差別する考えではありません。
しかし高野山には、猫の入山も許されていなかったのです。猫は肉食の生き物であり、繁殖しては山の生態系を壊してしまう恐れがあるから、といったかしこまった理由ではありません。
猫は古くから人に愛され、可愛がられた生き物です。そうです、可愛すぎるのです。
修行の途中で猫にじゃれられてしまっては大変です。修行そっちのけで猫にうつつを抜かしてしまう事でしょう。そんな危険がないように、予め猫を入山禁止にしていたそうです。
もちろん現代では女性はもちろん、猫の入山も許可されています。