ラッパのマークだけじゃない?正露丸の歴史
いざという時の常備薬として、腹痛や食あたり等による症状を改善してくれる頼もしい正露丸。
今回はそんな正露丸のルーツから、類似品とも思われる様々な正露丸が存在する理由についてをご紹介します。
正露丸のルーツ
正露丸といえば誰しもが聞いたことのあるだろうキャッチコピー「ラッパのマークの正露丸」が思い浮かびます。
このラッパのマークの正露丸とは大幸薬品が販売している正露丸ですが、実際には富士薬品や常盤薬品など、様々な薬品会社から正露丸が発売しています。
なぜこの様な事が起きているのか、順を追ってご説明しましょう。
正露丸はかつて日露戦争が勃発した際、戦場におもむく兵士に支給されました。正露丸の旧称は「征露丸」といい、露(ロシア)を征する丸薬して名付けられたのです。
終戦後、「征」の字が使われるのは好ましくないとの指導が入り、現在の「正露丸」に改名されました。
なぜ多数の正露丸が存在するのか
正露丸は大幸薬品の商標であったが、1974年と2008年の二度の裁判により、普通名称化との判決が下されました。
普通名称化とは、その商品の商標としての効力を失い、一般的な名称としての扱いとなる事を指します。つまり、どの企業が商品名として使おうとも、お咎めが無いことを指しています。
冒頭に述べたように、ラッパのマークの正露丸は大幸薬品の販売している正露丸であり、その他の企業が販売している正露丸は、ラッパのマークじゃない正露丸ということになるのです。
ちなみに
しかしながら正露丸といえばやはりラッパのマークの正露丸が印象的です。そのCMに使われているラッパで奏でられるメロディーは、旧陸軍で使用されていた、食事の時間を知らせるための信号ラッパです。
「食」を連想させ、日露戦争を連想させ、上手く出来たCMで視聴者の脳裏に正露丸を印象づけてくれています。