日本の硬貨(コイン)の片面には必ず製造された年が和暦で刻印されています。しかし紙幣には製造年は印刷されていません。なぜなのでしょうか。

記載する必要性が低いため

硬貨に年号が刻印され始めた理由は、金を通貨価値の基準とする制度である、金本位制の名残なのです。造幣局ができた1871年当時は、金の品質が年によって異なっていたため、いつの硬貨であるかを証明する必要がありました。

一方紙幣の方はというと、紙幣は紙で出来ていますから、硬貨に比べて圧倒的に寿命が短いため、製造年を印字する必要性がないのです。その寿命は一万円札で3〜4年、千円札で1〜2年と言われています。

古くなった紙幣はすぐに新しいものと取り替えられてしまうため、何十年も前の紙幣は出回っていないのです。

では紙幣の製造年を判別することが出来ないのかというと、それもまた違います。紙幣には製造番号が印刷されていますが、この番号によって製造年を割り出すことは可能です。しかし防犯上の理由から、その割り出し方法は日本銀行しか知り得ない事なのです。