最も死者数が多い山は日本にある
群馬―新潟の県境にまたがりそびえ立つ「谷川岳」は、標高1977mの登山客に大人気の山です。標高は決して高いとは言えませんが、遭難者・死者数の数は世界の山に比べてはるかに多いのです。
谷川岳の怖さ
エベレストを始めとした8000m級の山々は世界に14峰ありますが、その全ての山での遭難者・死者数を足しても、谷川岳での数には到底及びません。
14の8000m峰の合計死者数は637名ですが、1931年から統計が開始された谷川岳遭難事故記録によると、2012年までの80年間で805名の死者が出ている結果になります。
この記録はギネスブックにも載っており、「魔の山」「人喰い山」「死の山」の異名で呼ばれることもあります。
なぜここまで死者数が多いのか
一見すると谷川岳は難しい山なのかと思えますが、そうではありません。谷川岳の登山ルートは数多くありますが、遭難者の多くは一ノ倉沢などの岩壁からの登頂によるもので、一般的なルートは危険な箇所も少なく、遭難者も少ないのです。
それに加えて、標高が低く、登山ルートによっては子どもでも十分に登れるという観念から、難しい登山道に軽装備で挑む登山者が多いのも事故に繋がっているのです。