ライバル関係の代名詞として「ハブマングース」という言葉をよく聞きます。対決ショーを始めとして沖縄で有名な動物ですが、実は人間によって仕組まれたライバル関係だったのです。

なぜライバルとなったのか、その歴史を振り返ってみましょう。

マングースの登場

ハブは沖縄に生息する猛毒をもったヘビです。
一方マングースは国内には生息しておらず、外来種として日本にやってきました。マングースはネズミや鳥を始め、ヘビも捕食する雑食種で、インドではコブラの天敵として知られています。この事からハブを退治する目的で、1900年初頭にマングースは日本に輸入されることになりました。

しかしそんな思いとは裏腹に、ハブの数が減ることはありませんでした。

そもそもマングースは昼行性、ハブは夜行性なために活動時間が合わず、野生の状態で退治する場面が少なかったからと考えられます。
これに加えて野生動物の豊富な沖縄。マングースは効率悪くハブを襲うよりも、豚やニワトリなどの家畜やヤンバルクイナを襲ったりと、沖縄の生態系を大きく壊すきっかけになってしまったのです。

ちなみにヤンバルクイナは絶滅危惧種に指定されていますが、減少の原因はマングースと言われています。

ハブ対マングースショーの行方

ハブとマングースが天敵だ!という情報だけは全国各地に十分に知れ渡り、沖縄でもハブ対マングースショーが観光客に好評でした。そうです過去形なんです。

ショーの内容はどちらかの動物が力尽きるまで戦わせるといった内容で、そのストレートすぎる内容から動物愛護団体からのクレームが入り、血で血を洗うような対決は幕を閉じました。

ちなみにショーの勝敗はマングースが大幅に白星を勝ち取っていたようです。そもそもハブを殲滅させる目的で輸入された動物なので、当然といえば当然でしょうか。

その後対決ショーは見納めになるかと思いきや、現在は「ハブ対マングースの水泳対決ショー」と想像もつかない角度で姿を変えて、観客の皆さんを盛り上げています。