三毛猫のオスは非常に稀にしか誕生せず、希少価値が高いことは有名な話です。

ではどれほどの希少さを誇るのか、なぜ三毛猫は絶滅しないのかを深く掘り下げてみましょう。

そもそも三毛猫とは

一般的に白・茶色・黒の3色で短毛の日本猫とされています。日本猫とは鼻筋が通っていて、全身の毛が短く、尻尾が細長いか極端に短い種類の猫を指すようです。

希少価値を探る

オスの三毛猫が誕生する確率は3万分の1匹。パーセンテージに直すと0.03%です。これは飛行機の墜落事故が発生する確率と一緒です。余計ややこしくなりましたね。

なぜ三毛猫は絶滅しないの?

そもそも三毛猫は品種の名前ではありません。3色の毛色をもった猫の事を指しています。この時点で絶滅という言葉が当てはまらないのはお分かり頂けるでしょうが、ではどのようにして三毛猫が誕生するのでしょうか。

毛色は遺伝子の染色体に起因しているのですが、遺伝子学的に詳しく説明すると非常にややこしい話になります。ざっくりと説明しますが、理解できない方は詳しい方に教えてもらうと良いかもしれません。

まず、染色体はX染色体とY染色体に分かれます。この内色を決める要素を持つ染色体はX染色体だけです。
オスメスの個体でそれぞれ2つずつの染色体を持っています。遺伝子的にメスはX染色体+X染色体(XX)、オスはX染色体とY染色体(XY)です。
子は親の染色体を1つずつ受け継いで遺伝子を継承していきます。例えばメスのXとオスのXを受け継いだ場合はメスが、XとYを受け継いだ場合はオスが生まれます。

上記を念頭に置き、親メスが茶色と白、親オスが黒の猫だった場合にどのような色の子猫が誕生するかを考えてみましょう。
XXを受け継いだメス子猫の場合、毛色の可能性は茶色・白・黒です。どの毛色になるかは生まれないと分かりませんが、3色で生まれる可能性を秘めています。
XYを受け継いだオス子猫の場合、オス親から受け継いだY染色体には色を決める要素が含まれないため、毛色の可能性は茶色と白の2色です。

これがオス猫が三毛猫として誕生しない理由です。

なぜオス猫で三毛が誕生するのか

一口で言えば突然変異によるものです。ごく稀にXXYの染色体を受け継いだオス子猫が誕生する事があります。この様な突然変異をクラインフェルター症候群と呼び、一種の病気です。猫だけでなく犬や馬や人間までもがこの病気にかかることがあります。

メスの三毛とオスの三毛での交配

子猫に継承される染色体の配列は変わらないため、オス三毛が生まれる可能性は極めて低いです。


いかがでしたでしょうか。もし三毛猫のオスがいた場合、その価値は2000万~3000万円と言われています。愛猫がオスの三毛を産んだとしても、欲に負けずに最後まで可愛がってあげましょう。