哺乳類はその名の通り、母乳で子を育てるのが特徴なことから名付けられました。当然人間も哺乳類に属します。魚類はというと、卵から孵化した後は母乳などは与えられることなく、餌を捕食して成長しますが、ある魚は母親の出す母乳によって成長するのです。

ミルクで育つ魚類

その魚は南米・アマゾン川原産の「ディスカス」という淡水魚です。観賞用の熱帯魚としても人気があるので、日本でも見ることができます。背ビレと尾ビレが長く美しい魚で、まさに熱帯魚といった感じの姿です。

産卵の時期になると、両親はペアで卵を保護します。通常、孵化した魚の稚魚はプランクトンなどを捕食して成長していきますが、ディスカスの稚魚はそれが出来ません。ディスカスの稚魚は泳げるようになると、親のそばにくっ付くようにして過ごします。それもそのはず、親魚の体表からは哺乳類でいうところの母乳によく似たミルクである「ディスカスミルク」を分泌し、稚魚はそれを摂取して成長するのです。