ペットとしても人気の高い柴犬は、じつは国の天然記念物に指定された動物なのです。それではなぜ、天然記念物なのにペットとして飼育することが可能なのでしょうか。

天然記念物とは

柴犬は1936年に国の天然記念物に指定されました。しかしじつは天然記念物に指定されている犬種は柴犬だけではありません。秋田犬、甲斐犬、紀州犬、四国犬、北海道犬、越の犬に柴犬を足した計7種の日本犬が天然記念物に指定されているのです。

それでは一体なぜ天然記念物なのにペットとして飼育可能なのでしょうか。例えば自然に生息している天然記念物の植物などの場合は、勝手に採取してはいけません。天然記念物の目的の一つとして「種の保存」があるからです。ペットとして柴犬を飼う場合は、飼うこと自体が種の保存に該当するため、飼育・繁殖を行なってもよいとされているのです。

しかし動物の中でも飼育するのに文化庁長官の許可が必要な動物がいます。それがトキやイリオモテヤマネコに代表される「特別天然記念物」に指定された動物です。