うどんや蕎麦を代表として、関西関東ではダシの味に違いがあります。関西のダシは透き通ってサッパリしており、関西人に言わせると関東のダシは濁っていて濃すぎると言われています。一体なぜ東西でこのような差が生まれてしまったのでしょうか。

違いには立派な根拠があった

一般的に関西では昆布だしを、関東では鰹だしを用いることが多いようですが、違いは水の硬度にあるようです。日本の水はカルシウムイオンとマグネシウムイオンがあまり含まれていない「軟水」です。しかし国単位では軟水かも知れませんが、その硬度は地域によって若干の違いがあります。

関東の水は他の地域に比べて硬度が高く、硬度の高い水で昆布だしを取ろうとすると、アクが強く出てしまい美味しくありません。そのため関東では鰹節でだしを取るのです。

また、昔の食品流通事情も関東に昆布が浸透しなかった理由の一つでもあるようです。当時の昆布の主な産地は北海道。全国で採れた食材は「食の台所」と呼ばれる大阪に真っ先に搬送されました。ここで品質の高い昆布は全て買い取られ、余り物が関東やその他の地域に回されたのです。

こういった事情が重なり、現代のだし競争が実現されているのです。