日本料理には欠かすことのできない昆布ダシ。誰しも一度は「なぜ海の中でダシが出ないんだろう」と思ったことがあるはずです。もしかしたら実は海の中でもダシが出ているのでしょうか。

昆布ダシが取れる環境

実際には海の中にある昆布からはダシとなる旨味成分は出ていません。厳密に言えば、「生きている」昆布からはダシは出ていないということになります。

昆布ダシが取れるのは、昆布が死に、細胞が壊れることによって旨味成分が体外へ排出される仕組みになっています。生きている昆布にとって、この旨味成分は重要なタンパク質になるので、決して体外へは排出されないのです。

死んでいる昆布であれば、海の中であろうが冷水であろうがどちらでもダシを取ることができるのです。

ダシを取る際は主に乾燥した昆布を使いますが、これは乾燥させる工程で、旨味成分の一つであるアミノ酸が昆布の中に濃縮されていき、より美味しいダシが取れるからです。