なぜ冷たい蕎麦にはワサビで温かい蕎麦には七味唐辛子?
蕎麦(そば)は日本人にとって馴染みの深い麺類です。蕎麦の食べ方として、冷たい汁に浸けて食べる「もり蕎麦」や「ざる蕎麦」、温かい汁をかけて食べる「かけ蕎麦」が一般的です。
蕎麦の薬味の違い
蕎麦は様々な具材との相性がよく、地域性や好みが大きく反映されます。そして薬味もまた、いくつかの種類があります。しかし共通しているのは、冷たい蕎麦には「ワサビ」が、温かい蕎麦には「七味唐辛子」が使われるという点です。
そもそも冷たい蕎麦に辛味を加えるために用いられていたのは、大根おろしのしぼり汁でした。しかしその常識に待ったをかけた人物がいます。その人物こそ、天下統一を果たした徳川家康です。家康は自身で薬草を栽培するほどの健康マニアであり、食べ物にも非常に気をつかっており、旬のもの以外は口にしなかったといわれます。
大根の旬は冬であり、それ以外の季節で蕎麦を食べたい場合の辛味をどうするかと悩んだ結果、ワサビにたどり着いたとされます。しかし温かい汁にワサビを入れると辛味が飛んでしまうため、温かい蕎麦には七味唐辛子で辛味の代用をしたのです。