「賽は投げられた」「ブルータス、お前もか」の名言で有名な、古代ローマの軍人および文筆家であり独裁者でもあった「ガイウス・ユリウス・カエサル」。紀元前78年にエーゲ海を船で渡っていた際、カエサルは海賊に誘拐され、囚われの身となってしまいます。

カエサルの心理戦

当時、ローマ近辺で使われていた通貨は「タレント」と呼ばれるものでした。海賊たちはカエサルの身代金として20タレントを要求しました。しかしカエサルは「私を誰だと思っている。20タレントでは安すぎる。50タレントを要求しろ」と海賊に言い放ち、自らの身代金を上げさせたのです。

普通、払えなくなる可能性を考えて身代金を自ら上げるようなことはしません。こればかりか、カエサルは「帰ったらお前たちをはりつけの刑にしてやる」と冗談を飛ばして海賊たちと笑っていたともされます。

そして身代金が支払われて無事に釈放されると、すぐさま海軍を招集し海賊を追跡したのです。海軍によって捕らえられた海賊は、カエサルが冗談で言っていた通りに、はりつけの刑に処されました。

一見すると彼の異常さが際立ったエピソードに感じられますが、これはカエサルの作戦だったのではないかという意見もあります。身代金を上げさせることで、大金が手に入ると思った海賊は、簡単に殺すことはせずに人質を大事に扱うようにさせていたのではないかということです。

時の独裁者でもあるカエサルらしい、機転をきかせた作戦でしょう。