多くのホテルのベッドサイドテーブルや棚の中には、キリスト教の教典である聖書が置かれています。一部のホテルだけではなく、全国的に同じ光景がみられます。一体どのような経緯でこの聖書は置かれているのでしょうか。

聖書が置かれる理由

1898年、アメリカのウィスコンシン州の小さなホテルで二人のビジネスマンが相部屋になりました。二人はお互いがクリスチャンであることを知ると、聖書を読んで祈りを捧げたそうです。この出来事で二人は意気投合し「国際ギデオン協会」を設立しました。この協会は聖書を無料で配り、キリスト教を広めることを主な目的とする団体として、活動を開始したのです。

必要な経費はキリスト信者からの寄付によってまかなわれており、200を超える国と地域で、ホテルだけでなく学校や病院、刑務所に至るまで広く無料で聖書を配布し、その数は24億冊を超えるとされます。

1950年に東京で日本支部が開設されると、日本の支部数は現在までで約170支部にも膨れ上がりました。日本でもホテルや旅館や大学などへ、累計4000万部を超える聖書を無料配布したとのことです。

ちなみにこれらの聖書はその施設の備品にあたるため、無断で持ち帰ることはできません。