「・・・・・・コーン!」。日本庭園によくある「ししおどし」は、日本らしさを演出してくれるとても風流なオブジェクトです。その使われ方は俳句や短歌の季語として使われだけではありません。ししおどしには本来の正しい使われ方があるのです。

ししおどしとは

ししおどしは中央付近に支えを設けて竹筒を固定し、片方は口が開いている状態で、片方は節でフタをした状態にしておきます。竹筒に水が満杯になるとその重みで竹筒が下がり、設置された石にぶつかることで「コーン」と心地よい音が響き渡るのです。

ししおどしは漢字で「獅子威し」や「鹿威し」と書きます。名前から連想できるように、「動物をおどかす」意味があるように思えます。そうです、本来は畑や田んぼなどにくる害獣をおどかして近寄らせないようにするための装置なのです。カカシや鳥よけ風船などと同じく、害獣を追い払うための農具でしたが、いつしかその音色の風流さだけが受け継がれてきたのです。