日本では、青森県八戸市から宮城県の金華山までの、全長約600kmの長さを誇る三陸海岸が「リアス式海岸」として有名です。リアス式海岸は簡単に説明すると、地盤の沈降または海面上昇によって、複雑な海岸線になっているところです。地図帳などで確認してみるとギザギザな海岸線になっているのが分かります。

リアスって何?

そもそもリアス式海岸の「リアス」とは、スペインのガリシア地方で見られる入り江に由来し、その地域の言葉で「入り江」を意味する「リア」、そしてその複数形で「リアス」と呼ばれます。

「リアス式海岸」は中学校の社会科の授業で必ず習う項目であり、試験問題にも高確率で採用される問題です。しかし現在は試験問題で「リアス式海岸」と答えるとバツをもらうことになります。そもそもドイツの探検家によって発見され、命名されたリアス式海岸は、英語やドイツ語では「式」に該当する名称は存在しないのです。

そのことから日本では「リアス式海岸」と「リアス海岸」という和訳が混在しており、長らく学校教育において「リアス式海岸」の呼称が教えられましたが、「リアス式」では「リアス地方の海岸地形」であると勘違いされることを防ぐため、2008年頃を境に「リアス海岸」と教えるように統一されたのです。