開催100回以上を記録する全国高等学校野球選手権大会、通称「夏の甲子園」では、基本的に一回負けたらお終いのノックアウトトーナメント方式です。全国約4000校がこの頂点を目指して熱き戦いを繰り広げます。そんな夏の甲子園で、過去に一回戦で負けたにも関わらず優勝した高校があるのです。

過去に採用されていた特別ルール

ノックアウトトーナメント方式は第一回大会から採用されているルールですが、実は第二回大会から、大会を盛り上げようと敗者復活制度を取り入れたのです。そして奇跡が起きたのは翌年の第三回大会のこと。トーナメント一回戦で敗退してしまった愛知一中(現・愛知県立旭丘高等学校)は、なんと敗者復活戦から一気に決勝戦まで勝ち進み、優勝をその手にしたのです。

このことが「一度負けたチームが優勝するのはどうなのか?」という物議を醸した為、敗者復活制度はわずか二大会のみで幕を閉じることとなってしまいました。

そんなことならいっそ、制度の立案の時点で却下していた方が、甲子園の歴史に汚点を残さずに済んだのかもしれません。