「特徴」と「特長」の違いと使い分け方
特徴も特長もどちらも「とくちょう」と発音します。似たような意味、同じ意味だと思っている方は、今回の雑学で本当の意味を理解してください。
特徴と特長の違い
例えばA君の身長が190cmで、平均身長よりも遥かに高いとします。この仮定をもとに文章を考えていきましょう。
特徴の使い方
目の前に5人の男性が立っている時、A君を知らない人に対して、誰がA君なのかを伝えようとします。
「A君の特徴は、身長が190cmもあることなんだ。」
これで他の4人の身長が低かった場合、A君を見つけることが出来るでしょう。
「特徴」とは、良いか悪いかを区別するのではなく、その事柄や物事に対して目立っている所、際立っている所を示す場合に使用します。
例えばB君の身長が150cmしかなく、それが彼のコンプレックスであろうがなかろうが、特徴には変わりないのです。
特長の使い方
特長を使う場合は先ほどの例文ではうまく使うことができないので、違う例文にしましょう。
「A君は身長が190cmもあるから、高い所に手が届くのが特長なんだ。」
A君が他の人よりも背が高いことが利点であるという文章です。
「特長」とは、他と比べて優れている点を示す場合に使用します。つまりは長所のことです。
A君が190cmの身長をコンプレックスだと感じているのであれば、特長にはならないのかも知れません。ただし、他と比べて高い所に手が届くのは便利であることは間違いないでしょう。
正しい使い方で文章を作る
ここまで読んでいただいた方は、次の文章に違和感を感じることでしょう。
「この製品は、他社製品と比較して、重量が30%軽量されたことが特徴(特長)です。」
この文章では言葉が二重になっています。「頭が頭痛で痛い。」と同じです。正しくは次のような文章になります。
「この製品は、重量が30%軽量されたことが特徴(特長)です。」
何かと比較している事は既に「特徴(特長)」の言葉の中に含まれているので、わざわざ書く必要はないということです。
しかし場合によっては書かないとわからない場合があるでしょう。例えば自社製品の従来のモデルと比べているのか、競合他社の製品と比べているのかハッキリさせたい場合などです。
その場合はわざわざ特徴(特長)という言葉を使う必要はないのかも知れません。
「この製品が優れている点は、他社製品と比較して、重量が30%軽量された点です。」
言葉一つで伝わるニュアンスが変わってくる日本語の難しいところです。言葉の意味を理解して、正しい情報を読み取れるようにしましょう。