今では死語になっているのかも知れませんが、一昔前はズボンの股間部分のチャック(ファスナー)のことを「社会の窓」と呼び、チャックが全開になっていると「おい、社会の窓が開いてるぞ」などと隠語で会話したものでした。しかし一体なぜ股間のチャックのことを「社会の窓」と呼ぶようになったのでしょうか。

社会の窓の語源

これはNHKで1948年から1952年にかけて放送されていたラジオ番組『インフォメーションアワー』に由来します。この番組は曜日によって内容が異なり、『新しい農村』『労働の時間』『社会の窓』『産業の夕』『ローカル・ショー』『家庭の話題』『時の動き』というプログラムで構成されていました。終戦まもない時期であり、GHQが多大に関与していた番組です。

この内の『インフォメーションアワー・社会の窓』では、「社会のさまざまな問題の裏側を探る」ことをテーマとしていました。このことから「普段は見えない部分が見える」という意味に捉えられるようになり、次第にズボンの中のパンツ、それを隠すチャックという風に解釈されるようになったのです。

ちなみに社会の窓は男性のズボンのチャックのことを指しますが、「社会」に引っかけて女性のズボンのチャックのことを「理科の窓」と呼ばれることもあったようですが、こちらは全く浸透しませんでした。