ちょっと酸っぱい飲み物やお菓子などのラベルに書かれている「レモン◯個分ビタミンC」という表記。実はこれはレモン1個分を20mgを基準として換算されている「ビタミンC含有菓子の品質表示ガイドライン」に従ってのルールなのです。

今回の雑学ではレモン1個分には本当は何mgのビタミンCが含まれているのかを検証してみました。

レモン1個分のビタミンCが20mgなのかを計算してみる

レモン1個の重さは平均して120gです。レモンのビタミンC含有量は、文部科学省が発行している日本食品標準成分表において、レモン果汁100g当たり50mgとされています。レモン果汁はレモンのヘタとタネを除いた全ての部分、全果に対する30%とされます。
これにより、レモンの果汁に含まれるビタミンCを割り出す計算式は以下のようになります。

120g(レモン1個重量) × 30%(果汁分) × 50mg(ビタミンC) / 100g(果汁) = 18mg

およそ20mgですので、レモン1個分を20mgとして表記しよう。という決まりになったわけです。

レモン1個分のビタミンCは本当は何mgなのか

先ほどの計算で導き出された答えは、レモンの果汁に対して何mgのビタミンCが含まれているか。の計算になります。レモンの果汁には100g当たり50mgのビタミンCが含まれていますが、それ以外の果肉や皮の部分には100gで100mgのビタミンCが含まれているとされています。

レモンのヘタとタネを取り除いた全果の割合は97%です。ここから先ほどの果汁部分を除いて計算をしてみます。

{ 120g x 97%(レモン1個重量) – 30%(果汁分) } x 100mg(ビタミンC) / 100g(全果) + 18mg(果汁に含まれるビタミンC) = 98.4mg

ヘタとタネを除いた全ての部分に含まれるビタミンCは98.4mgであることがわかりました。レモン果汁のおよそ5.4倍です。つまり食品表記のルールを適用するならば『レモン1個にはレモン5.4個分のビタミンCが含まれている』ことになります。

しかしながら正しくは『レモン1個にはレモン5.4個分の果汁のビタミンCが含まれている』ということになるのです。なんとも腑に落ちないオチになってしまいました。