チキンライスにハンバーグやスパゲティと、一度に色んなメニューを楽しむことができることから、大人でも食べたいお子様ランチ。しかし得てしてどのお店にも年齢制限が設けられており、その夢が叶うことはありません。このお子様ランチを初めて提供したのが、東京は日本橋にある三越デパートの洋食屋でした。

お子様ランチの初まり

時は1930年。世界恐慌にみまわれた暗い時代背景のさなか、当時の食堂部主任であった安藤太郎が考案したのが初まりといわれています。この時のメニュー名は「お子様洋食」でした。世界恐慌という暗い時代だからこそ、子ども達には明るい笑顔を取り戻して欲しいという願いから考案されたのです。

日本橋三越がお子様洋食を提供し始めてから3ヶ月後、上野の松坂屋の食堂にも同様のメニューが提供され始め、この時のメニュー名が「お子様ランチ」であり、現在ではこちらのメニュー名が普及してしまっているのです。

その後松坂屋は、1960年代に当時大人気だったウルトラマンのおもちゃをお子様ランチに付けることで、一日1000食を超える注文を得ることに成功しました。この「おもちゃ付き」のシステムは、現代のお子様ランチにも引き継がれています。