かつて横断歩道のデザインは、横線のシマシマに加えて、両端に縦線が引かれたハシゴ状の形をしていました。しかし、とある事情により、横断歩道のデザインは両端の縦線が無くなり、横のシマシマだけになってしまったのです。

横断歩道の歴史

日本に初めて横断歩道が引かれたのは1920年の東京でのこと。当時はまだ車社会ではなかったため、横断歩道は路面電車の線路を横切るためのものとして引かれていました。当時は「横断歩道」という名称ではなく、「電車路線横断線」と呼ばれていました。その後、自動車が一気に広まると、1960年にようやく横断歩道の表示が法律で決まったのです。

ハシゴ状の横断歩道が登場したのは1965年のことで、1992年までのおよそ30年もの間、このデザインが採用され続けてきたのですが、横断歩道をハシゴ状にしてしまうことで雨水が溜まりやすくスリップの原因となることがあったため、1992年からは現在の横断歩道である縦線を除いたゼブラ柄が採用されることとなったのです。

また、ゼブラ柄にすることで車の運転手からの視認性が向上し、さらには横断歩道の設置や修復にかかる時間も短くなるといったメリットもあります。