ご存知の通り、絵馬は手のひらサイズの木の板に馬の絵などが描かれたものであり、そこに願いごとや願いが叶ったお礼などを書いて神社に奉納するものです。現在は馬の絵以外にも様々なものが存在しますが、そもそもなぜ馬の絵が描かれているのでしょうか。

絵馬の由来

絵馬を奉納する習慣は飛鳥時代からあるとされます。古来より馬は神聖な生き物であるされ、特に白い馬は神馬(しんめ)と呼ばれ、神が乗る乗り物であると考えられてきました。そこで、神事を行う際は本物の馬を貢物として奉納していたのです。しかし全ての人が本物の馬を奉納できるわけではありません。本物の馬を奉納できない人々は、木や土、紙などで馬をかたどったものを奉納するようになり、奈良時代には現代のように、絵に描いた馬を奉納するようになったのです。

江戸時代に入ると、絵馬の奉納は庶民の一般的な願掛けとなり、その願いも家内安全や商売繁盛などの、より日常生活に近しいものとなってきました。

さらに近代では、昭和の時代になると受験生が合格祈願として絵馬を奉納する風習が一般的になり、絵馬=受験シーズンというイメージまで根付かせたのです。さらにこの時代より、馬の絵だけではなく、様々なバリエーションの絵馬も誕生しだしました。