結婚している女性以外に、関係をもっている女性のことを「愛人」と呼びます。現代の日本では愛人の存在を公表する人はそういないでしょうが、かつて日本では公に愛人の存在が認められていたのです。

今でいう「愛人」は古い言い方では「妾(めかけ)」といいます。1870年(明治3年)に制定された「新律令法」という法律で、妾を妻と同じ二等親にすると定められ、事実上妻と同等の権利を得ることができたのです。

戸籍上にも正式に「妾」を記載する欄が設けられ、世に公認の存在となっていたのです。

しかし1898年に戸籍の作成や手続きの方法を定めた戸籍法が誕生すると、戸籍から妾の欄は削除されたのです。