日本の通貨である円の最高額面は10,000円です。過去に1927年1月21日から1946年7月31日までの間に存在していたハンガリーの通貨である「ペンゴ」は、ハイパーインフレが起こった結果、とてつもない額面の紙幣を発行していたのです。

ペンゴ札で大富豪気分?

第二次世界大戦後、ハンガリーでは物資不足によって物価が急騰したことでインフレが進みました。1945年5月時点では1ペンゴであった郵便料金が、7月に3ペンゴ、翌1946年1月には600ペンゴ、3月には2万ペンゴ、5月には200万ペンゴ、そして7月にはなんと40兆ペンゴに達したのです。このハイパーインフレの結果、それまで使われていた紙幣では日常生活が送りづらくなり、高額の紙幣が発行されることになったのです。

次々に高額な紙幣が発行される中、最終的に印刷されたのが1,000,000,000,000,000,000,000ペンゴ札でした。桁数は10垓(がい)であり、あまりにも桁数が多いためにお札の表記も10億兆を表す「EGY=1」+「MILLIARD=10億」+「B=1兆」で「EGYMILLIARDB」と表記されていました。

10垓ペンゴ札は印刷すらされたものの実際に使用されることはありませんでしたが、実際に発行されて使用までいたった1垓ペンゴ札ですら十分な桁数です。桁数は尋常ではないものの、1946年に発行が開始された1垓ペンゴ札は0.20USドル程の価値しかなかったとされます。