素人が調理に手を出してはいけない魚の代表として、フグが真っ先に思い浮かびます。フグには強力ですな毒があり、それをキレイに取り除く必要があるからです。

今回の雑学では、そんな常識を覆す、フグの毒についての豆知識をご紹介します。

フグには毒はない?

青酸カリの850倍の強さを持つといわれ、たったの2mg
を摂取しただけで死に至るといわれるフグ毒「テトロドトキシン」は、実はフグの体内で作られているものではありません。

フグはハナムシロガイやヒトデを餌としますが、これらの生物には細菌から感染した毒を体内に持っています。

毒を持った餌を食べてしまうことで、フグ自身もその毒にかんせんするのですが、不思議なことにフグは体内に毒を濃縮させて貯め込んでおけるのです。

これにより、フグは毒のある生き物とされています。実際のところ、なぜフグだけが毒に感染しても平気でいられるのかは解明されていないようです。

テトロドトキシンには細菌によって感染していくこともあります。例えば生まれたばかりのフグを水槽で飼っていれば、全く無毒のフグを育成することが出来ます。ここにすでに毒に感染したフグを同居させると、あっというまに両方とも毒を持ったフグになってしまうのです。

テトロドトキシンは300°Cの高温で加熱しても分解されることはないため、やはりプロの料理人が毒をキレイに除去しなければ、おいしいフグにありつけることは出来ないのです。