和室が和室であるためには当然ながらが敷いてある必要があります。畳の(へり)は踏んではいけないとされ、その理由も様々あります。そんな畳の縁の種類や模様によって、その人の身分の高さが表されていた時代がありました。

畳と身分

そもそも畳縁は、畳を補強する目的や装飾の目的がほとんどであり、畳縁が無い畳も存在します。現代に近い畳が確立されたには平安時代のことで、この時代では身分の高さによって縁の種類と色が決められていました。

最高級の「繧繝縁(うんげんべり)」は、繧繝と呼ばれる彩色法によって鮮やかに彩られた縁で、天皇、三宮、上皇の部屋で用いられました。

白地に雲形や菊花などの紋を黒く織り出した「高麗縁(こうらいべり)」は、大紋と小紋に分かれます。大紋高麗縁は親王や大臣が、小紋高麗縁は公卿が座る畳に使用されていました。

また、603年以降に確立した位階制度で、殿上人は紫縁を、六位以下は黄縁を、位の無い者は縁なしの畳という分類もされていました。

この身分の分類は、江戸時代で封建制が無くなるまで続いたとされます。