「バッテラ寿司」はサバのお寿司ではなかった
お寿司の種類の中で「棒寿司」と呼ばれる種類の寿司があります。これは木枠で作った型の中にシャリと具を重ねて入れ、上から押して作った寿司のことで、有名なものでは「サバ寿司」があります。サバ寿司は「バッテラ」とも呼ばれますが、本来はサバ寿司=バッテラではありません。
バッテラは何魚?
現在の形のサバ寿司は江戸時代に誕生しました。そしてバッテラが誕生したのはそれから100年以上も経った1891年のこととされます。当時、大阪湾で大量に獲れた「コノシロ」という魚を、日持ちをするために酢でしめたのが始まりでした。
サバ寿司は長方形をしていますが、コノシロの切り身は小舟を上から見たような形をしています。大阪は古くからポルトガルとの貿易が盛んであり、コノシロで作った寿司をポルトガル語で「小舟」を意味する「バッテラ」と呼んだのです。
しかしコノシロの流通量が減り、価格が上がると、バッテラの具を一年を通して安定して手に入れることができるサバで代用したのです。そしてその名前だけが残り、現在に受け継がれているというわけです。