魚類は一度に複数の卵を産卵する生き物ですが、魚の種類によって産卵数が違います。個体が違うのだから当たり前だと思うかも知れませんが、何でなんだろう?と疑問に感じてみると、違った世界が見えてきます。

今回の雑学では、魚の産卵数違いについてご紹介します。

なぜ産卵数に差がでるのか

生物の中で一度に産卵する数が最も多いのはマンボウで、約3億個もの卵を出産します。これはダントツで産卵数ランキングのトップに君臨しています。タラコでお馴染みのタラも、一度で200万個もの卵を産むというから驚きです。

それに比べ、ウミタナゴという魚はわずか30個の卵しか出産しません。

こんなにも差が生じるには、それぞれの生態が関係しているのです。

卵の種類と育成方法

マンボウの卵もタラの卵も「分離浮性卵」と呼ばれる性質を持っています。これは字のごとく「バラバラで浮かぶ性質」を持っています。

また、分離浮性卵の卵を産む魚の多くは、産みっぱなしで卵を孵化させるまでに何かをすることはありません。

するとどういったことが起こるでしょうか。バラバラになった卵が海中でプカプカと浮かんでいるのです。これは外敵が喜ぶ餌にしかなりません。つまり多くの卵は食べられてしまう運命にあるのです。

そのため、マンボウやタラなどは出来る限り多くの卵を産み、子孫が残る可能性を上げているのです。

ウミタナゴの卵はどうして少ないのか

ウミタナゴは魚類の中でも特殊な出産を行います。それは、自身の体の中で卵を出産し、孵化するまで体内で飼育するのです。これを「卵たい生」といいます。

稚魚となった状態で外の世界に飛び出るので、生存率がグッと高いのです。そのため、一度の出産もわずか30体でいいというわけです。