焼き鳥のネギマは肉の間にネギが挟まっているからではない
家庭でもお酒の席でも、古くから焼き鳥は日本人に愛され続けてきました。焼き鳥の定番メニューとして、肉とネギが交互に串に刺さった「ネギマ」があります。実はこのネギマという名前は、本来は焼き鳥とは全く関係がないのです。
ネギマの語源
焼き鳥は主にニワトリの肉を使用するのが当然ですが、江戸時代頃に食べられていた焼き鳥の肉となっていたのは、主にスズメやハトでした。
そしてネギマといえば焼き鳥のことではなく、ネギとマグロの肉を煮込んだ鍋料理のことを指す言葉だったのです。つまりネギマの「マ」は「間」ではなく「マグロのマ」なのです。
このネギマ鍋が次第に変化していき、マグロとネギを串に刺して焼く料理へと変わりました。しかし時代とともにマグロが高級化されていき、気軽にネギマの串焼きも楽しめなくなっていきます。
そんな中、焼き鳥の方はというと、戦後になって大量飼育が可能なブロイラーという品種のニワトリが誕生するとニワトリが低価格で手に入るようになり、焼き鳥の肉はニワトリの肉を使うのが一般化されていきます。
そして、高価なマグロの肉の代わりにニワトリの肉を使ったネギマが誕生し、現代まで受け継がれているというわけです。