なぜペットボトルの牛乳は販売されないのか
牛乳好きの方にとっては、いつでもどこでも気軽に水分補給が出来るフタ付きのペットボトルで牛乳を持ち運びたいはず。しかし市場にはペットボトル入りの牛乳をみかけることはありません。
今回の雑学では、なぜペットボトル入りの牛乳が販売されないのかをご紹介します。
法律上では販売が許可されている
以前は法律上によって、ペットボトルでの牛乳の販売が禁止されていました。しかし2007年10月に「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令」が改正され、ペットボトルでの販売が解禁されました。
しかし2007年10月から現在まで、一度足りともペットボトル牛乳を見たことがありません。その理由は何なのでしょうか。
衛生面での問題
牛乳には豊富な栄養分がたっぷりと含まれています。その反面、常温で保存しておくと簡単に細菌が繁殖してしまいます。ペットボトルの特性として、一度で飲みきれなくてもフタが付いているからそのまま保存が出来ます。
500ミリリットル以下のペットボトルを想像してみてください。一度で飲みきれないということは、何度も飲み口に口をつけることになります。そのことで唾液から雑菌が残りの牛乳の中に入ってしまいます。
さらに持ち歩くことが出来るのがペットボトルのいいところ。つまりは常温で持ち運ぶことになりますので、細菌の繁殖に拍車をかけることになるのです。
しかし1.5リットルや2リットルペットボトルならばコップに注いで飲むので、販売していてもよさそうなものです。他に販売する上で障害となる理由があるのでしょうか。
コスト面での問題
1.5~2リットルのペットボトルであっても、全く口を付けないで飲まないとは限らない。現状のペットボトルではそのような場合に衛生面の安全を確保できないため、口を付けて飲んでも、常温で持ち運んでも衛生面に問題がないようにする新しいペットボトルを開発する必要があります。
これは従来のペットボトルに大きな変更を加える必要があるため、莫大なコストがかかってしまいます。また、そのような仕組みを現段階で製造可能なのかすら微妙です。
これらの要因が、ペットボトル入の牛乳を販売するにあたって大きな障害となっているのです。まだまだペットボトル入りの牛乳を飲める日は遠い未来の話になりそうです。