「ベジタリアン」は「野菜しか食べない人」ではない?
ベジタリアンと言えば、日本語では「菜食主義者」と言い、動物から生成される食品以外、すなわち野菜しか食べないという印象が強いですが、実際の意味は少し違うようです。
ベジタリアンの語源
ベジタリアンは19世紀にマンチェスターの聖書教会の会員によって行われた、近代ベジタリアン運動によって生まれたとされます。穀物・野菜・豆類などの植物性食品のみを摂取しようという運動です。
ここで誕生した「ベジタリアン(vegetarian)」という言葉は、野菜を意味する「ベジタブル(vegetable)」が語源ではなく、「健全な/新鮮な/元気のある」という意味のラテン語 「ベゲトゥス(vegetus)」が語源になっています。
その言葉の通り、野菜だけを食べるのがベジタリアンなのではなく、卵や乳製品などは本人の自由意志によって食べて良いとされています。
ベジタリアンにもランクがある
面白いことに、どこまでの食品を口にするかによって、ベジタリアンはいくつかのランクに分けられています。
ビーガン/ピュア・ベジタリアン
動物や卵、乳製品を口にしないだけではなく、動物から作られる衣類も着用することはしません。動物を殺める事自体を出来る限り止めようという考えを持っているのです。
ラクト・ベジタリアン
野菜に加え乳製品を食べる人たちの事。
ラクト・オボ・ベジタリアン
野菜、乳製品に加えて卵を食べる人たちの事。多くのベジタリアンはこのラクト・オボ・ベジタリアンであるとされています。
実はこれ以外にも細かくカテゴライズされているのですが、大まかな分け方はこのようになっています。ベジタリアンは「野菜しか食べない」という単純な考えではなく、自然界を深く考えた思想を持った人たちで、その理念は一口で語ることが出来ない程です。