南極物語には「タロ」と「ジロ」の他に「タケシ」もいた
タロとジロといえば、第一次南極観測隊に同行した2匹の犬のことで、犬ゾリ要員として派遣されましたが、帰国時には南極に取り残されてしまいます。しかし一年ぶりに生存が確認され、その奇跡の生還は感動のストーリーとして語り継がれています。しかし南極に同行した動物は犬だけではありません。
南極に到達した動物たち
実は南極には「タケシ」という名のオスの三毛猫と、カナリア2匹も到達していたのはあまり知られていません。染色体の関係から、オスの三毛猫が生まれる確率は3万分の1ともいわれ、非常に希少です。オスの三毛猫は縁起がいいという意味で、南極に向かう隊員たちに贈られました。ちなみにタケシという名は、観測隊の隊長であった永田武にちなんで名付けられました。
タケシは主に隊員と共に基地で過ごし、娯楽の時間や季節の行事などにも共に参加しました。当時の写真には隊員たちの腕に抱かれながら楽しそうに過ごすタケシの様子が映し出されています。
タケシは日本に帰国した後に隊員の一人に引き取られましたが、程なくして脱走して行方不明になってしまいました。猫は帰巣本能のある動物とされ、自分の家である南極の昭和基地に向ったのではないかといわれています。