神秘的な生き物としても知られるイルカですが、その睡眠方法も神秘を通り越して驚愕の方法となっていました。

イルカは人間と同じく哺乳類なので、海の中でも肺呼吸をしています。海中で人間と同じような睡眠をすれば溺れてしまうし、陸地に上がって横になって寝ているわけでもありません。

ではどのような睡眠方法をとっているのでしょうか。

イルカの呼吸法

まずはイルカがどのようにして海の中で呼吸しているかを学びましょう。イルカの頭頂部には噴気孔(ふんきこう)と呼ばれる呼吸器が備わっています。この噴気孔から空気を吸い込み、次の呼吸までは40秒~1分間を完全に海中で過ごします。

つまり、上記の周期で頭頂部を海上に出して呼吸しないと、イルカとて窒息してしまうわけです。

どうやって寝ているのか

イルカの睡眠時間はおよそ6時間前後。もちろん海中で眠りますので、前述した呼吸を一定時間ごとに行わないと窒息してしまいます。一度の睡眠中に300~400回ほど海上に頭頂部を出して呼吸を行わなければいけない計算になります。

これは睡眠中に無意識で呼吸を行っているわけではなく、イルカ自身が意識して呼吸を行っています。果たしてこんな睡眠で眠っていると言えるのでしょうか。答えはイルカが持つ神秘的な特性にありました。

睡眠の永久機関!?半球睡眠について

生物の構造として、右半身は左脳と、左半身は右脳と繋がっています。人間は左右同時に脳を休ませる睡眠をとりますが、イルカは半球睡眠という独特の機能を持っています。これは右目を閉じて左脳を休ませ、左目を閉じて右脳を休ませる行動を交互に取ることができる特殊なものです。

これによりイルカは片方を眠らせて脳を休ませ(=睡眠)、片方を起こすことで呼吸をする行動をとっているのです。この能力はイルカだけではなく、渡り鳥にも備わっています。長時間の飛行を続けながら脳を休ませることが出来るので、超距離を移動できるわけです。

しかしこの半球睡眠は人間と同じ睡眠効果があるのかと思いますが、疲れがとれるようには思えませんね…。